#5 NO・プラスチックごみ

#4の続きです。

私の興味のある分野が資源循環、ゴミ、プラスチック、ということもあり、#4で4つ目の目標、NO・プラスチックごみについて書き出したら、他の目標の比でないくらい長くなってしまって(^_^;)

 

なのでこの#5で個別に書いていきます💨

 

今回はタイガーカスタムボトルのNO・プラスチックごみの取り組みをきっかけに、プラスチックの問題点やマイボトルが必ずしも環境に優しいわけではない理由などについて見ていきます。

 

 

 

 

そもそもプラスチックとは?

プラスチック、別名合成樹脂。原材料は主に石油で、簡単に言えば人工的に作られた素材です。プラスチックは、次の2種類に分けられます。

熱可塑(かそ)性樹脂→ 加熱すると柔らかくなり冷ますと固まる。ポリエチレンやPETなど。

熱硬化性樹脂→加熱すると固まり元に戻らない。メラミン樹脂やポリウレタンなど。

 

形を自由に変えられる、透明、軽い、水をはじく、サビたり腐ったりしない、安価で大量生産できる、などなどとても便利な性質を持っています。

この便利な性質ゆえに多くの問題も引き起こしています。

順に見ていきましょう。

 

 

 

石油の問題点

プラスチックの原材料は石油なので、次の問題が発生します。

・石油の枯渇

・採掘による環境破壊

温室効果ガスの発生

 

 

まず、石油の枯渇について。

 

当然ですが、石油を使い続ければいつか資源は底をつきます。

数年前は、「このまま石油を使い続けると〇〇年後に無くなってしまう!」といった話をよく聞きましたが、現在は採掘技術の進歩によって直近の問題ではなくなりました。しかし、もちろん石油などの天然資源は有限ですし、プラスチックだけに利用されているわけではないため、枯渇させない道を考えていく必要があります。

 

 

次に、採掘による環境破壊について。

石油を採掘することで、原油の流出や廃棄物の問題が起こっています。

これらは近隣の自然環境にダメージを与え、さらに川や海に流出するなど、多くの生き物や人間の健康を脅かしています。

石油の採掘は地上だけではありません。現在の油田の3割は海に存在し、今後技術が進歩すればより多くの海域で天然資源の採掘が行われることになります。そのため、油田の周りの海を汚染することになります。原油の流出事故も同様に海の環境をに深刻なダメージを与えるため、原油の輸送も危険を伴います。

 

 

次に、温室効果ガスの発生について。

プラスチックは石油からできているので、炭素を含んでいます。そのため、燃やすと二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスを発生させます。

 

プラスチックをリサイクルすれば燃やさなくていいじゃん!と思うかもしれませんが、残念ながら現在プラスチックのほとんどがリサイクルされずに燃焼されています。

日本はプラスチックごみの回収率やリサイクル率が高いものの、リサイクル率にサーマルリサイクル(熱回収)を含んでいます。これは、回収したプラスチックをもう一度プラスチックとして利用するのではなく、焼却場で燃やして、そのときに発生する熱をエネルギーとして回収することでリサイクルをしているとみなすリサイクル方法です。

日本のプラスチックのリサイクル率は約84%ですが、このうちの約6割がサーマルリサイクルのため、リサイクル率にサーマルリサイクルを含んでいることに対して海外から批判されています。

サーマルリサイクルに頼らざるを得ないのは、良いリサイクル方法が確立されていないからです。プラスチックをもう一度資源として利用するには、時間やお金などのコストがかかります。そのため、燃焼して熱エネルギーとして利用する方が良いとなってしまうのです。

 

また、廃棄物は埋立場にいったあとも温室効果ガスを発生させます。

厄介なのはメタンです。日本の廃棄物分野の温室効果ガスのうち、約55%が二酸化炭素、約15%がメタンですが、メタンは二酸化炭素の25倍の温室効果があるとされています(二酸化炭素と比較しやすいように計算しなおしているので、実際はもっと大きな温室効果があるとも言われています)。

温室効果とは、温室効果ガスが地球から宇宙へと出る熱などのエネルギーを吸収してしまい、地球の気温が上昇してしまう、いわゆる地球温暖化の原因です。でも温室効果ガスが全くないと、地球は冷え切ってしまうので、バランスが難しい...。

 

 

 

このように、まずプラスチックの原料である石油は、枯渇、環境破壊、温室効果ガスの発生などの問題があります。

ただし、注意しなければならないのは、物事には常に良いことも悪いこともあるということです。例えば、石油は環境に悪いので完全に使用しないようにする!と決まったらどうでしょうか。おそらく多くの人が職を失い、それによって貧困や飢餓などの多くの問題が発生するでしょう。そのため、石油を完全に悪だと決めつけることはできません。

 

 

マイクロプラスチック

続いてのプラスチックの問題点は、マイクロプラスチックです。

プラスチックは海に流れ込むと、時間をかけて小さな粒子マイクロプラスチックになります。

 

このマイクロプラスチックをプランクトンと間違えて食べてしまうなどして、海の生物の体内にマイクロプラスチックが取り込まれます。さらに食物連鎖によってより大型の魚や鳥類の体内にマイクロプラスチックは蓄積されていき、やがて人間の体にも入ってきます。

 

このままだと2050年には、魚よりもプラスチックの量が多くなると予想されており、すでに人間は一週間でクレジットカード一枚ぶんのマイクロプラスチックを食べているとも言われています。

 

人間の出したごみが、他の生物や自然に悪影響を与えて、自分たちにも戻ってくる。

少しでもこの悪影響を食い止めるために、できることから行動していく必要があります。

 

 

 

 

 

 

プラスチック=悪ではない

コロナウイルスの影響で多くの人がマスクをつけるようになりましたが、このマスクも風などによって川、海へと流れ込み、プラスチックゴミとなっています。とはいえ、プラスチックを使用しないことが必ずしも良いとはいえません。

マスク、ゴム手袋、テイクアウトなどはすべて命を守るためです。今ある素材では、プラスチックの便利さや清潔さなどに代わることはできません。プラスチックをとれば、健康問題を失うことになります。そのため、今はプラスチックを完全にゼロにするよりも、プラスチックを使用する必要がない部分ではその使用を減らしていくことが重要だと思います。

 

同じように、プラスチックを完全に悪だと決めつけるのが逆効果な場合もあります。例えば、レジ袋が有料化されマイバックを持ち歩く人が増えましたが、1回の使用であればレジ袋の方がマイバックよりも環境負荷が小さいため、マイバックを何十回も使用しなければかえってレジ袋の方が環境に優しいことになってしまいます。そのため、マイバックを長く使って、何ヶ月何年単位で見ることで初めて環境負荷を減らすことができます。

 

マイボトルについても同じことが言えます。水筒はプラスチックで作られていないものも多いので比較することが難しいですが、水筒をつくる過程で多くのエネルギーが使用されています。材料を採掘したり、輸送したり、廃棄するときもエネルギーが必要です。このように、モノやサービスが作られてから処分されるまでのすべての過程で環境に与える影響を考えることを、LCA(Life Cycle Assesment / ライフサイクルアセスメント)といいます。LCAを考えると、水筒を何度も使用することでペットボトル飲料を買わないことによる環境保全につながると思います。

 

 

 

 

 

 

 

まとめ

プラスチックの話になると、書きたいことがたくさん出てきてしまって長くなりました〜(・_・;

タイガーカスタムボトルのNO・プラスチックごみの目標をうけて、何を伝えたかったかまとめると、『プラスチック削減のためにできることとして、「マイボトル」を「繰り返し」使おう』ということです。これを伝えるために、なぜプラスチックを削減する必要があるのか、なぜ繰り返し使わないと意味がないのかについて長々と説明や思いを書きました_φ(・_・

家に眠っているマイボトルを引っ張り出してきたり、いつもペットボトルを買っていた人がマイボトルに変えてみたり、1人でも誰かの思いに変化を起こせていたら嬉しいです🌱

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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